2014/11/19

国際会議Manga Futures報告会 ~オーストラリアから考える表現規制

先日、オーストラリアのウーロンゴン大学で行われた国際会議Manga Futuresでは、日本のマンガの未来についての様々な議論が行われました。
特に、各国からオーストラリアへ集まった研究者の関心は、公的あるいは私的な「検閲」の部分に集まりました。

今回の会議の大きなテーマの一つだったという理由もありますが、オーストラリアにおいては、ある種の絵を学術会議で表示することも違法になり兼ねないので注意するようにという事前の警告が参加者に送られてきたからという背景もあります。

当該会議の発表者を中心に、海外状況や今後の考え方について議論します。

日時: 2014年11月28日(金)19時00分~ (開場18:45)
会場: 豊島区立舞台芸術交流センター あうるすぽっと 会議室B(3F)
定員: 90名(先着順・予約必須ではありませんが、定員を上回った場合は予約している方を優先させていただきます)
参加費: 無料


◆登壇者:(敬称略)
中川譲(日本映画大学准教授)
永山薫(評論家)
Patrick W. Galbraith(テンプル大学日本キャンパス准教授)
藤本由香里(明治大学国際日本学部教授)
山口貴士(弁護士)

主催:コンテンツ文化研究会
共催:NPOうぐいすリボン
協力:女子現代メディア文化研究会表現規制を考える関西の会

参加のお申し込みはこちらから

2014/11/08

創立6周年のご挨拶

 菊薫る晩秋の今日、コンテンツ文化研究会は6周年を迎える事ができました。
本来であれば、昨年の5周年に何か記念行事を行いたいところではありましたが、重要な法案の審議中であったため、見送らせていただき今頃の挨拶となりました。
さて、当会は「コンテンツに伴う諸般の問題を研究し、理解を深め合う」というテーマの下、コンテンツに影響を与えうる法律や条令、スキャンレーションなどの問題に対処してまいりました。
日本の創作の自由の確保・発展に微力ではありますが、寄与できたものと考えております。
これも、政党や業界といった様々な壁を乗り越え、ご理解・ご協力してくださった皆様のお力添えあってのものです。
この場で改めまして御礼を述べさせていただきます。

表現の自由というものは国民の基本的な権利であり、憲法にも明記されており手厚く守られていると考えがちですが、実際のところは常に薄氷を履むが如しであり、事務局一同この6年間で随分と胃を悪くしました。

昨年の法改正により創作物規制については一段落したと考えたいところなのですが、メディアを使った創作物規制を推進しようとするアクションやロビイングは今現在も継続しており、楽観はできるとは言えない状況が続いております。

そうした状況でありますので、これからも創作の自由の確保・発展のために尽力していきたいと表明したいところではありますが、都条例審議中の2011年度、児童ポルノ禁止法審議中の2013年度など、特定の時期を除けば年間100万以上の赤を出しながらの運営であり、この6年間、準備期間を含めますと7年間もの長期的な活動は当会のメンバーに重くのしかかってきております。

当会の目的は「豊かなコンテンツを自由に受容し、作成できる環境を維持する事」です。
いたずらに危機感を煽るような真似はしたくはありませんし、この活動で金銭を得る事そのものが作り手としては極めて不本意ではありますので、積極的な寄付の呼びかけを行う事は謹んでまいりました。
ですが、現状のまま、活動を続けていく事は厳しいと言わざるを得ません。
活動の縮小について考えもしたのですが、まだ「当会を必要だ」と言ってくださる声も少なくはなく、次善の案として、今後は寄付の呼びかけに関しては積極的に行わせていただきたく思います。ご容赦ください。

色々と厳しい状況ではありますが、豊かなコンテンツ環境の喪失が一度起これば、不可逆なものとなるでしょう。
そのような事にならないよう、当会発足時の精神を忘れる事無く、また先輩諸兄によって築かれた環境を崩すことの無い様、メンバー一丸となって更なる精進をして行きたいと思います。
皆様方のより一層のご支援、ご鞭撻をお願い致しましてご挨拶とさせて頂きます。