芸術作品に限らず、多くの表現や意見を楽しむことができるのは、表現の自由を保証する健全な社会があるからです。
芸術家・会田誠氏の作品に対する批判がなされること、議論が巻き起こることは、私たちの社会が表現の自由が機能する健全なものである証左であり、そのことは歓迎すべきです。
しかし、今回の作品撤去要請は、他者が会田誠氏の作品を見て、考える機会、それ自体を奪おうとするものであり、議論を形成する機会をも奪おうとするものです。
表現の自由は、特定人の具体的な権利、人権を侵害しない限りは、最大限に保障されるべきであり、表現を見て、各人が自由に考え、批判を含め議論、討議する権利は守られなければなりません。
私たちは市民として、クリエイターとして「森美術館からの会田誠氏の作品撤去要請」に反対します。
コンテンツ文化研究会・代表 杉野直也